Bill Gates米Microsoftの会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏が,米ワシントン州で開催中のAI(人工知能)の国際会議「International Joint Conference on Artificial Intelligence (IJCAI)」で8月7日に基調講演を行い,同社のAIへの取り組みについて明らかにする。Microsoft社が米国時間8月6日に明らかにしたもの。

 Bill Gates氏の基調講演のテーマは“AI in the Computing Experience: Challenges and Opportunities”。「コンピュータのユーザ・エクスペリエンスの向上に向けた取り組みについて言及する」(Microsoft社)。

 Microsoft社の研究部門であるMicrosoft ResearchはAIの基礎技術や応用技術に取り組んでおり,これには自動意思決定,知識・情報表現,情報検索,機械学習,データ・マイニング,自然言語,音声/筆跡認識などが対象に含まれるという。Gates氏の講演では,同社の現行製品におけるAIの役割について触れるとともに,製品のプロトタイプも披露する。

 「AIは映画の世界だけにとどまらない。それはコンピューティングとユーザビリティにおける次のフロンティアだ。Microsoft社は,これまで以上にこの分野の研究に焦点をあてており,コンピュータが,見て,聞いて,話し,学習することができる技術の開発を進めている。これにより人々がごく自然にコンピュータと対話できるようになる」(Bill Gates氏)。

 Microsoft社がIJCAIでデモを行う技術には以下のものがある。

・SWISH (Searching With Information Structured Hierarchically)。インターネットにおける検索結果を自動的にクラスタ分析し,自然なかたちで分類する技術。

・Notification Platform and Context Awareness。ユーザーの状況や興味について自動的に感知/推理する技術。コミュニケーション・サービスに応用する

・Web Canvas and Dependency Networks。データ・マイニングおよびデータ解析技術

・AskMSR。WWWの情報を使って,質問に自動回答する技術

 なおIJCAIは2年ごとに開催される国際会議である。北米が会場となるのは4年に1度。今年の開催期間は8月4日~10日。会場はワシントン州のConvention & Trade Centerである。

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