米IBMが米国時間8月2日に,英国政府が進めるコンピュータ・ネットワーク・プロジェクト「National Grid(ナショナル・グリッド)」に,技術およびインフラを提供する契約を結んだと発表した。

 National Gridとは,英国全域に散らばる大学や組織のサーバーをインターネットを介して接続し,アプリケーション,データ,コンピューティング・リソースを共有するプロジェクト。網の目のように張り巡らされた電力の送電線網(グリッド)に似ているところから,このように名付けらた。接続したサーバーではGlobus open source community(Globus.org)のプロトコルをはじめ,Linuxなどのオープンな技術を利用する。

 英国科学技術庁(Office of Science and Technology)がNational Gridの構築を行っており,広範な科学分野の共同研究で利用する予定である。National Gridは,「e-utility computing」または「e-sourcing」と呼ばれるサービスの試験にも使う。水道や電気,ガスといった公共サービスのように,バンド幅,アプリケーション,ストレージなどのコンピューティング・リソースをインターネット経由で供給するサービスである。

 中心拠点となるNational Grid Centerはエジンバラに置く。八つの地域センターをオックスフォード,ニューカッスル,ベルファスト(北アイルランド),マンチェスター,カーディフ,ケンブリッジ,サウサンプトンの各大学とロンドンのImperial College大学に設置する。

 IBM社はすでに,オックスフォード大学のデータ・ストレージ設備を受注している。この設備は,米国イリノイ州のフェルミ研究所で得られた高エネルギー物理に関する実験データを記録する英国の拠点となる。

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