米GartnerのDataquest米国時間8月2日に,2001年第2四半期の世界ワークステーション市場に関する調査結果を発表した。市場は縮小し続けており,2001年第2四半期の出荷台数は前年同期と比べて15%減少したという。3四半期連続の減少である。

 米国経済が世界市場に影響を与えているが,原因はそれだけではないとDataquest社は指摘する。

 「ここ数年間,特にエントリ・レベルのワークステーション分野が不自然なほど成長した反動がある。大手メーカーのワークステーションに対する需要が無限大ということはあり得ない」(Dataquest社Computing Platform Worldwideグループ主席アナリストのPia Rieppo氏)。

 2001年第2四半期に,上位メーカーで2ケタの伸び率を記録した企業は米Dell Computerだけだった。市場シェアを拡大した上位メーカーは,Dell社のほか米IBMのみ。

■2001年第2四半期における世界ワークステーション市場のトップ・メーカー別出荷台数(速報値/単位:台)

メーカー 2001年2Q 2000年2Q
出荷台数 市場シェア(%) 出荷台数 市場シェア(%)
Dell 108,532 31.5 95,126 23.6
Sun Microsystems 72,892 21.2 87,982 21.8
IBM 44,517 12.9 44,318 11.0
Compaq 42,352 12.3 58,263 14.4
Hewlett-Packard 38,162 11.1 66,124 16.4
その他 38,125 11.1 51,702 12.8
合計 344,580 100.0 403,515 100.0

出典:Dataquest社

 「Dell社は第2四半期に最も増加率が高かったものの,このところ伸び率は半分になっている。ローエンド機の価格を見直した後のIBM社は,比較的好調だった。しかし同社は第3四半期にワークステーション部門を大規模企業向けサーバー部門に移管するため,混乱や激変に直面する可能性がある。米Hewlett-Packard(HP)は全ワークステーション製品を一つの製品ラインアップに統合し,販売チャネル戦略を変更したため,市場シェアが減少した」(同氏)。

 また2001年第2四半期は,米Intelの64ビット・マイクロプロセサ「Itanium」を搭載したワークステーションが登場した。期待は高かったものの,Itaniumの新しい並列命令実行技術「Explicitly Parallel Instruction Computing(EPIC)」の共同開発企業であるHP社を別として,実際の出荷台数はごくわずかに留まった。

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