米Oracleは米国時間8月2日,全ての製品や技術に音声対応機能を拡充することを明らかにした。「Oracle9i Application Server (Oracle9iAS) Wireless」をはじめ,「E-Business Suite」「OracleMobile Online Studio」「JDeveloper」「Unified Messaging」「My Oracle」など,あらゆるソフトウエアやサービスに音声機能を組み込む。

 「音声対応機能を備えた無線通信向けアプリケーション・サーバー・ソフトとしては,Oracle9iAS Wirelessが市場で初めてとなる」(Oracle社)。

 従来のWWWブラウザや無線端末からのデータ・アクセスに加え,電話機やVoiceXMLゲートウエイからも所望の情報を引き出したり,タスクを実行できるようになる。音声機能を拡充した各製品の新版のリリースは2001年後半を予定している。

 Oracle社は,音声対応機能の拡充に関し,音声技術を手がけるベンダー8社と提携関係に入った。米General Magic,米Intel,米Motorola,米Verascape,米VoiceGenieの5社から,ボイス・ゲートウエイおよびテレフォニ・プラットフォーム技術の供与を受ける。同様に,米Nuance,米SpeechWorksからは自動音声認識技術および音声読み上げ技術(Text-To-Speech)を,米Vail Systemsからはボイス・ホスティング技術の供与を受ける。音声技術の組み込み,動作テストなどで各社と協力体制を敷く。Oracle社は,シカゴに音声技術開発センターを開設した。

 「従来の音声対応アプリケーションは,コールセンターやキャリアでの利用などに機能が制限されているものがほとんど。企業向けアプリケーションなどでも音声を使った情報アクセスを可能とすることで,利便性を高めるほか,音声技術利用のすそ野を広げる」(Oracle社)。

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