「多くの金融サービス・プロバイダが,不安定な景気に乗じて不安を煽るマーケティング・メッセージを使ったキャンペーンを繰り広げているが,これは資産家の心をとらえていない」。米Forrester Research社が米国時間8月1日に調査結果を発表したもの。投資可能な資産が100万ドル以上の北米の世帯を対象におこなった調査を分析した。
裕福層が資産の確保について自信を持っており,テクノロジに関しても肯定的な見解をこっていたという。Forrester社は,金融機関が市場でシェアを獲得するの二つの鉄則を明らかにしている。一つは顧客の忠誠を育むこと。もう一つは,顧客密着型のサービスを展開することだ。
「顧客を維持するコストは獲得よりも安上がりである。優良顧客は,より頻繁,より多額をお金を使ってくれる。他の優良な顧客を獲得する仲立ちとなってもらえる。金融サービス・プロバイダを選んだ理由として,他人の推薦は重要な意味をもつ」(Forrester社上級アナリストのEkaterina O. Walsh氏)。
顧客からの忠誠を得るために,企業は顧客のニーズを理解しなければならない。購入株式の選択から税金対策に至るまで,時宜を得たアドバイスが顧客を維持する重要な役割を果たしている。百万長者の84%が,オンラインとオフラインを適切に使ったアドバイスを望んでいる。
なお,インターネットに接続している裕福な顧客は,資産管理にインターネット使っており,44%が金融サービス・プロバイダのWWWサイトを訪問している。
「フィナンシャル・プロバイダが期待する二つ以上のサービスを提供している場合,その企業を他人に勧める確率が25%高くなる。逆に離反する確率は24%低くなる」(Walsh氏)
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