米IDCがカナダ時間8月1日,「ピア・ツー・ピア型ビジネス・モデルにより,インターネットは知的資産の利用形態や配信,価値を変えつつある」とする調査結果を発表した。

 調査は,カナダの成人2000人を対象にアンケートを実施したもの。「Napsterは,音楽の“共有”を可能にしただけではない。ピア・ツー・ピアのネットワークによって,ユーザー間での価値や情報の交換,業界全体の構造改革が可能であることを示した」(IDC,カントリー・マネージャのMichael O'Neil氏)。

 主な調査結果は以下の通り。

・Napsterのユーザー層は,収入レベル,学歴,職種などにおいて,平均的なインターネット・ユーザー層と大きく異なる。

・Napsterの出現により,インターネット・コミュニティがWWWで配信されるコンテンツの価格,パッケージング,マーケティングに影響を及ぼしている。

・ユーザーの大半は,提供される選択肢の幅の方が価格より重要だと考えている。

 知的資産を所有または配信する企業は,ピア・ツー・ピア型モデルに関心を持つユーザーが増えていることを理解する必要がある。ビジネス・チャンスをものにするには,伝統的販売法に依存するのではなく,オンライン・ユーザーに適した販売戦略が不可欠だとIDCは指摘する。

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