米Sedonaが米国時間7月30日に,「中小規模の金融機関の大半は,CRM(Custmer Relationship Management)システムと,顧客情報を分析するMCIF(Marketing Customer Information File)システムを十分に活用していない」とする調査結果を発表した。

 Sedona社はCRMソリューションを提供しているベンダーである。調査は米Core Groupの協力を得て,中小規模の金融サービス企業53社を対象にして,2001年3月に電話インタビューを実施したもの。

 地方銀行や信用組合の76%は,CRMやMCIFのコンポーネントを活用しきっていない。また金融機関の62%は,組織内でCRMとMCIFのネットワーク化を行っていないため,システムを利用できるユーザー数と部門が限られている。

 システムを有効活用できていない理由のひとつとして,適切な研修を受けた人材の不足が挙げられる。金融機関の約40%は,CRMとMCIFの一部機能をアウトソーシングすることを検討中である。

 サード・パーティが提供するCRMおよびMCIFサービスで人気が高いのは,プランニングとメール機能の導入(40%),研修(38%),収益性分析(23%),データベース・トラッキング(23%)などである。

 「これまで,フル機能搭載のCRMシステムは導入コストがかかるため,大規模な金融機関しか使っていなかった。しかしインターネット・ベースの使いやすいシステムが低価格で利用できるようになり,中小規模の金融機関もフル機能のCRMアプリケーションを導入している。ところが,システムを有効活用するための知識やリソースが不足している場合が多い」(Sedona社チーフ・マーケティング担当のAlyssa Dver氏)。

 またCRMやMCIFシステムを導入している金融機関の88%が,主にマーケティング部門で利用していることが明らかになった。最も利用されている機能は,顧客およびアカウントのプロファイル作成機能(83%),マーケティングの効率化機能(83%),分析的ビジネス・インテリジェンス機能(81%)である。

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