米InterTrust Technologiesが米国時間7月24日に,米Microsoftとの特許係争をさらに拡大したことを明らかにした。InterTrust社は3件の特許に関してMicrosoft社を提訴していたが,製品使用を許可するライセンス管理に関する特許を訴訟対象に加える申し立てを行った。

 InterTrust社がMicrosoft社を提訴したのは2001年4月。Microsoft社のWindows Media PlayerなどがInterTrust社の保有する特許を侵害しているとして,カリフォルニア州北地区連邦地裁に提訴した。6月26日には,申請を行っていたデジタル・コンテンツ転送時の著作権保護技術に関する米国特許が成立したため,同社はただちにこれを訴訟対象に加えた。さらに7月19日には,Microsoft社の電子ブック「Microsoft eBook」がInterTrust社のデジタル情報管理技術に関する特許(861特許)を侵害しているとして訴訟対象に追加したばかりだった。

 今回ライセンシング・システムに関する特許を追加したことで,対象となる特許は合計4件となった。

 追加した特許はInterTrust社が1999年にInfologic Software社から買収したもの。製品使用を許可するライセンシング・システムと手法に関するもので,ライセンシのアドレスなどを記録し,製品使用を監視するための技術である。特許番号は5,940,504(504特許)。タイトルは「Licensing management system and method in which datagrams including an address of a licensee and indicative of use of a licensed product are sent from the licensee's site」。1992年6月29日に申請し,1999年8月17日に成立した。

 InterTrust社は504特許を侵害しているMicrosoft社の製品として,「Windows XP」「Office XP」「Visio 2002」を挙げている。またこれらの製品が861特許を侵害しているとも主張している。

 InterTrust社はMicrosoft社に対し,Microsoft社のデジタル著作権管理(DRM)技術を含む全ての製品の販売差し止めと損害賠償の支払いを求めている。InterTrust社はこれに含まれる製品として,Windows XP,Office XP,Visio2002のほか,「Windows ME」「Windows Media Player」「Microsoft Reader」「Digital Asset Server」なども挙げている。

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