英ARMと英Symbianが現地時間7月23日に,ARM社がJava対応拡張命令セット「Jazelle」をSymbian社にライセンス供与したことを明らかにした。ARM社がJazelleをOSベンダーにライセンス供与するのはこれが初めて。

 Symbian社はJazellをSymbian OSの将来版に組み込む。

 両社のライセンス契約には,Jazelle Technology Enabling Kit(JTEK),Jazelle TechnologyのJavaアクセレレーション・ソフトウエア・コンポーネント,VMA Technology Kit(VTK)が含まれる。Symbian社は,JTEKおよびVTKをOEM Customization Kit(OCK)とSoftware Development Kit(SDK)に組み込み,機器ベンダーなどにライセンス供与していく。

 「携帯電話でのゲーム・ソフト,オンライン・チケット購入,オンライン・ショッピングやオンライン・バンキングなどに向けたアプリケーションにJava技術を応用できる」(両社)。

 Jazelleの特徴は,Javaのバイトコードを直接実行する点。ARMプロセサにJazelle動作モードを追加することで,既存のARM命令とJavaバイトコードの両方の命令を一つのプロセサで実行できるようにする。Javaバイトコードの約80%をハードウエアで実行し,除算や浮動小数点演算命令など残り約20%は例外処理として既存のARM命令で処理する。

 このような仕組みを設けることで,「チップ面積を肥大させるとなくJava処理性能を向上させることが可能になった」(ARM社)。無線機器やインターネット端末のJavaアプリケーションを10倍程度高速化できるという。

 なお,ARM社は米Sun Microsystemと2001年6月に,無線/モバイル機器に最適化したJava技術の共同開発とライセンスの契約などで提携関係に入っている。Sun社はARM社に対しJava技術を提供,ARM社はそれを「Jazelle」技術を使ったプロセサに組み込む。両社のJava技術開発のロードマップを融合し,モバイル機器で使われる組み込み用途向けのJava技術を共同開発する。

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[ARM社の発表資料]
[Symbian社の発表資料]