「米国の主要金融機関は,コール・センターとインターネット・チェネルを顧客との対話に十分に活用していない」。米Onyx Softwareと米Microsoftが実施した調査により明らかになった。調査には米Celent Communicationsが協力した。

 同社がさまざまな金融製品とサービスが必要な個人あるいは小規模企業のオーナーを装い,銀行や証券会社,投資信託,保険会社,インターネットだけのe-financialサービス会社に問い合わせた結果をまとめたもの。

 金融製品とサービスに関してWWWとコール・センターを通して問い合わせてきた客のうち,フォローアップを受けたのは,150社のうち11%だった。さらにWWWベースの問い合わせに対する回答が“良い”または“まあまあ”と評価されたのは21%に過ぎなかった。コール・センターでは,有益で参考になる回答をしたのは31%の企業だった。

 「調査により露呈したこれら企業の無関心さは,特に現在の経済状態において憂慮すべきである」(Celent Communications社の社長,Octavio Marenzi氏)。

 そのほかの調査結果は以下の通り。

■WWWサイトの問い合わせ:
 WWWベースのコミュニケーション・チェネルを提供する企業が2000年の44%から65%に増加。“優れた回答”は23%から21%に低下。“良くない回答”は,2000年の21%が44%にまで増加した。WWWを介した問い合わせに対し,フォローアップを受けたのは前年比1%増の6%。

■コール・センターへの問い合わせ:
 コール・センターへの問い合わせに対する回答で,“良い”と評価されたのは,WWWの回答より多少高い。しかし約70%の回答が「悪い」もしくは,まったく回答がないという結果だった。最初の電話で顧客情報を収集した企業はほんの数社であり,問い合わせた個人に対してフォローアップをしていたのは15%だけだった。

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