MacOS Xの画面米Apple Computerは米国時間7月18日にニューヨークで開幕した展示会Macworld Expoの基調講演で,Mac OS Xの最新版「v10.1」を披露した。Mac OS X v10.1は現行の「v10.0.4」からのメジャー・アップグレードとなる。

 性能の向上,ユーザ・インタフェースの改良,FinderからのCD作成機能などが特徴。2001年9月の正式リリースを予定する。

 性能の向上では,アプリケーション起動にかかる時間を短縮し,メニュー表示やウインドウのサイズ変更を素早く行う。またログイン処理や全体的な体感速度も高めたという。

 Mac OS Xのユーザー・インタフェースである「Aqua」には,よく使うリソースへのアクセスを提供する「Dock」と呼ぶインタフェースが備わっているが,これを画面の左,下,右側へ移動できるようにした。また,AirPort(日本における名称はAirMac),ディスプレイ,サウンドといった頻繁に利用するシステム設定のメニューを追加した。

 Finderから直接データCDを作成できる機能をMac OS X v10.1に組み込んだ。これに加え,デジタル・ミュージック作成/管理ジュークボックス・ソフト「iTunes」によるオリジナル音楽CDの作成,デジタル・ビデオ編集ソフト「iMovie 2」による映画作成,DVD PlayerによるDVD再生,DVDムービー・ソフト「iDVD」によるDVD作成などが可能で,Apple社ではMac OS Xを「究極のデジタルハブ」と称している。

 Mac OS X v10.1のこのほかの特徴は以下の通り。

・プリンタ,デジタル・カメラ,ビデオ・カメラ,MP3プレーヤ,書き換え可能ディスク装置,記憶装置といった他社製周辺機器への対応を拡大

・Macintosh,Windows,Linux,UNIX環境のネットワーク接続。Mac OS X Serverや,AppleShare,UNIX,Linux,Windows NT,Windows 2000といったサーバー上で稼働するAFP/AppleTalk,SMB/CIFS,WebDAV,NFSを介してネットワークを統合する

・3次元グラフィックス性能を向上。OpenGLソフトウエアのアップデート,NVIDIA GeForce 3の完全サポート

・無料のディスク・スペースを提供するサービス「iDisk」を拡充する。iDiskの長時間接続やファイアウォールをまたがった利用が可能になる。

・スクリプト言語「AppleScript」を改良。SOAPおよびXMLを使用したインターネット・スクリプティングに対応する。

・Mac OS XのJava 2ランタイムに完全対応した,Internet Explorer 5.1の最終版を同梱

 Mac OS X v10.1は2001年9月の出荷を予定する。小売りパッケージ版の価格は129ドル。同社オンライン店舗The Apple Store(http://www.apple.com)や正規販売代理店を通じて販売する。なおMac OS Xの既存ユーザには19.95ドルのアップデート・プログラムを用意する。

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