米Hop-On Wirelessは7月17日,Las Vegasで開催中の全米チェーン・ドラッグストア組合代表者会議(National Association of Chain Drug Stores Convention)で世界初の使い捨て携帯電話(Disposable Cellular Phone)の発売計画を発表した。

 Hop-On Wirelessは,30ドル程度の財布サイズの使い捨て携帯電話機を現在量産中であり,今年の9月か10月に全国2万7000以上のドラッグストアで一斉に発売することを計画しているという。Hop-On社は,この使い捨て携帯電話機が急成長しつつある使い捨て市場での大ヒットになると期待しているという。

 この携帯電話機はイヤフォンつきで供給される。特に運転中の携帯電話の使用が禁じられている地域のユーザーに歓迎されると見られる。

 シカゴトリビューン紙のレポートによれば,携帯電話の普及により公衆電話機の利用が減って,料金は1通話50セントに値上げされたという。携帯電話は最初の3分間が35セントで,次の3分間ごとに25セントずつ課金される。使い捨て携帯電話の価格が30ドルということは公衆電話の通話の60回分,携帯電話なら85回分を前払いしたことになる。

 この携帯電話機は,環境に優しい生物化学的な分解が可能なプラスチック材料が使用されており,約60分間の通話が可能である。主要販売経路はドラッグストアとコンビニエンス・ストアが考えられている。用途は当面は緊急連絡用が主体になるが,将来は着信機能,国際通話機能,プリペイド方式,インターネット・アクセス(スポーツの結果,天気予報,株式情報など)などの機能の導入も検討中である。また,主要な空港で国際通話が可能なバージョンを販売する計画もある。雑誌や新聞を空港のスタンドで買うのと同じ感覚で使い捨て携帯電話も購入できるようにするという訳である。

 同社では,使い捨て携帯電話の市場は,当面50億ドル,近い将来は容易に110億ドル規模に達すると見ている。FCCによれば,携帯電話業界の2000年度の売上は525億ドルであり,1999年度の400億ドルから31%も増加した。また,加入者数は2000年度,対前年比27%増の1億950万人に達し,米国人の39%が使用しているという。Yankee Groupの予測によれば,全世界のワイヤレス加入者数は2005年度に12億6000万人,世界人口の20%に達すると見込まれる。

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