米Warner Bros.,ソニーの米映画子会社Sony Pictures Entertainment(SPE)がDigital Transmission Licensing Administrator, LLC(DTLA)社からデジタル・コンテンツ複製防止システム「Digital Transmission Content Protection(DTCP)」のライセンス供与を受ける。3社が米国時間7月17日に明らかにしたもの。

 Warner Bros.社とSPE社は,映画やビデオコンテンツ配信にDTCPを利用する。「家庭のデジタル化の促進を図る」(3社)としている。

 消費者におけるデジタル・エンターテインメント製品の利用は増加しているが,消費者はDVDプレーヤやセットトップ・ボックス(STB)などのデジタル・ビデオ製品で,依然としてアナログ・コンテンツを視聴している。「Warner Bros.社やSPE社がDTCPを利用することで,消費者は質の高い映画を家庭の完全なデジタル・ネットワーク環境で楽しむことができるようになる」(3社)。

 「コンテンツ・プロバイダにとって,安全なエンターテインメント・ネットワークを構築することは,高画質の映画コンテンツの家庭配信における重要な問題である」(Warner Bros.社執行副社長兼CTOのChristopher J. Cookson氏)。

 Warner Bros.社とSPE社はDTCPを利用して,録画済みメディア,ペイパービューやビデオ・オンデマンド配信を不正コピーしたりインターネットを介して再配信できないようにする。なお,消費者は引き続き家庭向けの録画を行うことができる。

 また,PVR(personal video recorder)に記録したコンテンツをデジタルで表示したり,PVRから取り外し可能なデジタル・テープやディスクにコピーしたり,家庭内の異なる場所にあるサーバーにコピーを転送したりするなどもできる。

 DTCPは日立製作所,米Intel,松下電器産業,ソニー,東芝の5社が開発したもの。DTLA社はDTCPライセンシングを手がける企業として,5社が1998年に設立した(5Cと呼ばれていた)。すでに半導体,CATV/衛星向けSTB,民生用電子機器,パソコンなどのメーカー50社以上とライセンス契約を結んでいるという。DTCPは上記5社のほか,三菱電機,オランダのPhilips ElectronicsなどがDTCPの支持を表明している。

 セキュリティに関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「セキュリティ」で詳しくお読みいただけます。

◎関連記事
1394 TAがデジタル・コンテンツ複製防止システム「DTCP」を支持
米CinemaNowがWindows Media使ったペイ・パー・ビューの映画配信を開始,3ドル

[発表資料へ]