米Allied Business Intelligence(ABI)が,「2001年における無線広帯域ユーザーの割合は広帯域ユーザー全体のわずか2%であるが,2006年には15%に拡大する」との予測を発表した。

 ABI社によれば,広帯域市場は売上高ベースで2001年の168億ドルの水準から2006年には594億ドルへと約3.5倍の規模に拡大するという。このうち,無線の割合は2001年の9%から2006年には22%となる。

 現在のところ,無線広帯域技術にかかるコストは機器とインストール費用を合わせユーザー1人当たり3000ドル強となっている。ABI社は「無線広帯域はケーブル・モデムやDSLなどと比べ,スループットなど技術の面では十分対抗しうるレベルに達しているが,導入コストの面で競合が難しい」と指摘する。

 しかし,ここへきて,インフラにかかるコストが大幅に下がってきているほか,無線通信の利用が拡大,さらに衛星広帯域など1ノード当たりで対応可能なユーザー数も増えてきている。こうした要因から,近い将来無線広帯域技術が急速に拡大するとABI社はみる。

 「無線広帯域サービスのプロバイダは,消費者に対し,無線広帯域接続がケーブル・モデムやDSLよりも優れている点を積極的にPRする必要がある。無線広帯域技術は,すでにコストや通信速度,信頼性,セキュリティなどの面で十分に有利だと言えるレベルに達している」(ABI社Broadband部門アナリストのMark M. Fox氏)。

 Fox氏は,「ただし無線広帯域技術に潜在成長性はあるものの,ケーブル・モデムやDSLに対抗するには,まずインフラの面で有線の技術に追いつく必要がある」とも指摘している。

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