米Microsoftとオーディオ/ビデオ技術を手がける台湾CyberLink,米InterVideo,米RAVISENT Technologiesの3社が米国時間7月16日に,Windows XP向けのアドオン・ソフトとして,3社がMP3対応の録音機能およびDVD再生機能の2種類のパッケージを提供することを明らかにした。有償のソフトウエアとして販売する。3社とも価格は未定。

 3社が提供するのは,Windows Media Playerを使って音楽をMP3形式でCD-RWなどに保存する「MP3 Creation Pack」と,Windows Media Playerを使ってDVDを再生する「DVD Decorder Pack」。

 パソコン・ベンダーはDVDの再生機能をプリインストールしているところが多いが,再生機能を備えていないマシンを利用するユーザー向けにアドオン・ソフトとして提供する。Windows XPの発売予定日である10月25日から,各社のWWWサイトで提供を始める。Microsoft社のWWWサイトに3社へのリンクを張る。

 Windows Media Playerは従来のバージョンですでにMP3形式の再生機能を備えているが,CD-RWへの録音機能はこれが初めて。Microsoft社は2001年2月に,Windows Media Audio形式とMP3形式の両方に対応可能なCD-RWへの記録機能や携帯オーディオ・プレーヤへの転送機能などを,Windosw XP向けに提供すると発表していた。

 米メディアのNewsFactor Networkの報道によれば,MP3の基本特許を持つ仏Thomson MultimediaがMicrosoft社に1ライセンス当たり2ドル50セントのロイヤルティの支払いを要求しているが,Microsoft社がこれを拒んでいるため,Windows XPのMP3対応が遅れているという。Windows XPのトライアル版でテスターがMP3を再生したところ,音質が「通常の半分程度」という評価であったため,ベンダー3社と提携し急きょMP3対応を拡充したと説明している。

 CyberLink社はオーディオ/ビデオの再生・保存機能「Digital Video Application」やストリーミング・コンテンツ向けの「Streaming Multimedia Solutios」を備える。InterVideo社はWindows向けDVD再生機能「WinDVDR」などを,米Compaq Computer,米Dell Computer,富士通,ソニーなど主要パソコン・ベンダー各社に提供している。RAVISENT社はDVD再生機能「CineMaster DVD」をMicrosoft社の家庭用ゲーム機「Xbox」向けにライセンス供与している。Microsoft社のほか,主要パソコン・ベンダーやカナダATI Technologies,STMicroelectronicsなども顧客に抱える。

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[Microsoft社の発表資料]
[RAVISENT社の発表資料]