米Advanced Micro Devices(AMD)が米国時間7月12日に,2001年第2四半期の決算を発表した。売上高は9億8526万4000ドルで前年同期に比べ16%減,前期の11億8874万7000ドルに比べ17%減となった。

 前年同期の売上高には音声通信事業の売り上げ6300万ドルが含まれていたが,AMD社は2000年8月にこの事業を売却している。これを除いた場合の継続事業ベースの売上高前年同期比は11%減となる。

 2001年第2四半期の純利益は1735万2000ドル,1株当たり純利益は0.05ドルである。前期の純利益は1億2483万7000ドル,1株当たり純利益は0.37ドルだった。

 なおAMD社は米国時間7月5日に,業績予測の下方修正を発表しており,このとき2001年第2四半期の売上高が前期に比べ17%減の9億8500万ドル,1株当たり純利益は0.03ドル~0.05ドルと予測していた。

 6カ月間の業績では,売上高が21億7401万1000ドル,純利益が1億4218万9000ドルである。前年同期はそれぞれ,22億6246万6000ドルと3億9649万1000ドルだった。

 AMD社は2001年第2四半期中に770万個超のパソコン用マイクロプロセサを売り上げており,これは同社の記録だという。またAthlonプロセサやDuronプロセサも過去の記録を塗り替えた。しかし「パソコン市場の低迷が反映して,パソコン用マイクロプロセサの平均販売単価(ASPs:Average Selling Prices)が前期に比べ大幅に下落した。またメモリ製品の売り上げも前年同期に比べ13%,前期に比べ23%落ち込んだ」(同社)と説明する。

 同社会長兼CEOのW.J. Sanders氏は,「半導体ビジネスの低迷は予想以上。このなかで我々はフラッシュ・メモリとパソコン用マイクロプロセサという二つの製品ラインで市場シェアを獲得できたと思う」(同氏)と述べている。

 AMD社は今後の業績見通しについても明らかにした。通信とネットワーク市場の減速により,フラッシュ・メモリ製品の低迷が予想されるという。「この製品分野の先行きは暗い」(同社)としており,2001年第3四半期のフラッシュ・メモリ製品の売り上げは第2四半期のそれを下回るとみている。

 また2001年のパソコンの出荷台数の伸び率がこれまでの予測を下回ることから,同社では2001年のパソコンの出荷台数は横這い状態と予測している。ただし第3四半期は季節的な要因によりパソコン需要が高まることから,AMD製パソコン用マイクロプロセサの販売個数は再び記録を塗り替えるとしている。ただし「平均販売単価は低いまま」(同社)という。

 2001年第3四半期の業績については,「現在の状況が続く限り,売上高は10~15%減となる。この売り上げ減が現実のものになれば営業損失を報告することになる」(同社)と警告を発している。

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