米AT&Tが米国時間7月9日に,無線通信事業AT&T Wireless Groupの事業分離が正式に完了したと発表した。同社はAT&T Wireless社株の取引が米国東部夏時間午前9時に,ニューヨーク証券取引所で「AWE」のチッカー・シンボルで始まったことを明らかにした。

 同社は2000年10月25日に,AT&T社の4分割を正式に明らかにしていた。同社を法人向け通信事業のAT&T Business社,家庭向け通信事業のAT&T Consumer社,広帯域接続事業のAT&T Broadband社,無線通信事業のAT&T Wireless社の4社に分け,AT&T社の本体は,AT&T Business社に集約するというものである。

 このうち,AT&T Broadband社とAT&T Wireless社については,AT&T Business社から経営を切り離して株式を公開すると発表していた。分割・再編の手続きの完了は,2002年を予定している。なおAT&T BroadbandについてはCATV大手の米Comcastが買収提案を行ったが,AT&T社は7月9日に売却否定の声明を発表している(IT Proの記事参照)。

 AT&T Wireless Groupの事業分離は,1)AT&T Wireless Groupのトラッキング・ストック(事業収益連動株)をAT&T Wireless社の株式に転換し,2)AT&T社が保有しているAT&T Wireless社株の7.3%(約30億ドル相当)をAT&T社の株主に分配する,という方法で行われた。

 1)ではトラッキング・ストックとAT&T Wireless社株を1対1の割合で交換した。2)では,AT&T社株1株につき0.3218株のAT&T Wireless株を割り当てた。これによりAT&T社は11億4000株のAT&T Wireless株をAT&T社の株主に分配した。

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[発表資料1]
[発表資料2]