Free Software Foundation(FSF)が米国時間7月9日に,2つのフリー・ソフトウエア・プロジェクト「DotGNU」と「Mono」を立ち上げたことを明らかにした。「米Microsoftの.NETシステムに取って代わるソリューションを提供する」(FSF)。

 「GNU/LinuxのOSでC#プログラムを動作させるフリー・ソフトウエアを開発する。両プロジェクトはソリューションの開発に関し,協力体制を敷く」(Richard Stallman氏)。DotGNUの開発は,GNU開発者サイト「Savannah」を中心に作業を進める。Mono開発の中核は米Ximianが担う。

 「.NETの登場により,Microsoft社によるサービス提供の集中という事態を招く。サービスの提供はたった1社のプロバイダに限定されるべきではない。DotGNUはこうした事態を阻止する」(DotGNUを統括する,GNU BayonneのOST共同創設者David Sugar氏)。

 「Microsoft社はC#やCLIの仕様を欧州電子計算機工業会(ECMA :European Computer Manufacturers' Association)やWorld Wide Web Consortium(W3C)の標準化機関に提出済みだが,同社のshared sourceライセンスでは対象を一部のみに限定している。そのため,LinuxやUNIXなどのプラットフォームに向けたアプリケーションの開発を行うことができない。そこで,我々がWebサービスやアプリケーションの開発が自由にできるようにするためのツールを提供する」(「GNU Monoを統括するXimian社Chief Technoloty OfficerのMiguel de Icaza氏)。

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