WWW技術の標準化を進めているWorld Wide Web Consortium(W3C)が米国時間7月9日に,プロトコル仕様「SOAP Version 1.2」と抽象モデル「XML Protocol Abstract Model」のワーキング・ドラフト第1版を発表した。

 SOAP Version 1.2は,XMLベースのメッセージング・システム向け枠組みを提供する。そこではデータのシリアル化方法とメッセージ梱包形式の規定などが含まれる。これは,ワーキング・グループの憲章「XML Protocol Working Group Charter」に明記している要求条件を満たす。

 例えばSOAP Version 1.2では,オブジェクトや有向グラフのようなデータをシリアル化するために,「XML Schema」が提供するデータ形式を用いる。XML SchemaはXMLの語彙を拡張可能な方法で表現するためのW3C勧告である。また,「XML Namespaces」を利用してXML言語の混在を可能にしている。

 「SOAP Version 1.2は,SOAP/1.1仕様での解釈の相違による曖昧さを取り除いた」(W3C)。

 XML Protocol Abstract Modelは,抽象レベルの設計に向けたXMLプロトコルの概念と関連性を記述している。

 ワーキング・グループのメンバ企業には,Active Data Exchange社,米Akamai Technologies,米Allaire,米AOL/Netscape,米AT&T,米BEA Systems,Bowstreet Software社,キヤノン,米Commerce One,米Compaq Computer,Daimler-Chrysler Research and Technology社,DataChannel,Data Research Associates社,DevelopMentor社,Engenia Software社,Epicentric社,スウェーデンのEricsson,富士通,Group 8760社,米Hewlett-Packard,米IBM,IDOOX s.r.o.社,Informix Software社,米Intel,Interwoven社,アイルランドのIONA Technologies,Jamcracker社,Library of Congress社,IBM社傘下のLotus Development,松下電器産業,米Microsoft,MITRE社,米Oracle,Philips Research社,Propel社,Rogue Wave社,ドイツのSAP AG,Software AG社,米Sun Microsystems,米TIBCO Softwarew米Xeroxなどが名を連ねる。

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