米連邦高裁が米Microsoftの米独占禁止法違反訴訟の控訴審で,同社に2分割を命じる連邦地裁の判決の差し戻しを求めたことに関して,業界団体Software & Information Industry Association(SIIA)とAssociation for Competitive Technology(ACT)が声明を発表した。

 SIIAは,連邦高裁の「Microsoft社が独占的地位を不当に利用したことは認める」とした部分を取り上げ,「連邦高裁は,Microsoft社のビジネス・プラクティスが明らかに独占禁止法違反だと考える司法省,連邦地裁,そしてIT業界のほとんどの企業の味方についた」(SIIA)とコメントした。

 一方ACTは,「ACTは一貫して,企業が製品に機能を追加する権利を保護することが重要な問題だと,主張してきた。連邦高裁の判決内容は,ACTの姿勢と一致する。既存のソフトウエアに新機能を追加することは消費者の利益のためだ」との声明を発表した。

 「裁判所は,(ソフトウエアの)統合が消費者や業界にとって害になるというばかげた概念を却下し,正しい判断をした。IT業界における関連分野の密な統合は競争を促し,低価格製品を提供する競合社の参加を可能にする」(ACT議長のJonathan Zuck氏)

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