WWW技術の標準化を進めているWorld Wide Web Consortium(W3C)が米国時間6月27日に,XML文書のリンクに関する仕様「XML Base」と「XML Linking Language(XLink)」をW3C勧告として発表した。

 XLinkは,リソース間のリンクを作成し記述するための要素をXML文書に埋め込むためのもの。XML BaseはXML文書中のリンクにおける基底URI (Uniform Resource Identifiers:ちなみにURLはURIのサブセット)を表示する手法である。

 XLinkはHTMLの単純なリンク機能だけでなく,拡張リンク機能にも対応する。拡張リンク機能では複数のリソースを,そのリソースに含まれない一つのリンクを経由してつなげることが可能になる。 リソース自体を編集することなく,メタデータや他の補完情報を関連づけることができる。

 XML BaseはXLinkなどを含むXMLアプリケーションに,HTMLの要素「base」と同様の機能をXMLで提供するもの。HTMLのbaseは,記述者が基底URIを明記し,画像やアプレット,スタイルシートといった他のリソースの関連リンクを使用できるようにする。XML Baseはモジュールとして記述されているため,他のアプリケーションでの再利用や参照が可能。

 XML BaseとXLinkを作成したワーキング・グループ「XML Linking Working Group」のメンバには,米AOL/Netscape Communications,米Arbortext,eBusiness Technologies社,富士通,Jamcracker社,Metacode社,米Microsoft,米Sun Microsystems,Yomu社などが名を連ねている。

 インターネット関連の技術に関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「INET新技術」で詳しくご覧頂けます。

◎関連記事
W3Cが「XML Schema」を勧告として発表
W3CがHTMLとXMLの環境を統合するXHTML 1.0を勧告として発表
認証サービスに向けた2つのXML関連仕様がW3C勧告候補に
W3CがXML Schemaの勧告候補を公開,XML開発者へ実装を呼びかけ
W3Cが数学的内容を記述する言語「MathML 2.0」を勧告として発表

[発表資料へ]