(2001.6.27,Mary Mosquera=InternetWeek

 「オンラインのブランド力測定をちゃんと行ったマーケッタは驚くだろう。インターネット広告キャンペーンによって,当初予測していたより最大で35%も高い投資回収率(ROI)が見込めることに気が付くからだ」。米Jupiter Media Metrixが米国時間6月26日に,オンライン広告の効果に関する調査結果を発表した。

 しかし,オンラインのブランド測定を行っているマーケッタはわずか15%にとどまっている。大半は,クリック当たりのコストといった直接的反応を用いた手段で満足しているのが現状だ。

 「クリック率で測っていては,オンライン広告によってWWWサイトに向かう顧客数を大幅に低く見積もってしまう。すべてのマーケティング・チャネルを合わせて見積もるべきである。ブランド強化をねらうオンライン広告は,クリック率から割り出した数よりもずっと多くの顧客を生み出しているのだ」(Jupiter Media Metrix社アナリストのRudy Grahn氏)。

 オンライン広告にお金を使ったからといって,必ずしもトラフィックの増加にはつながらない。オンライン広告はWWWサイトへのトラフィックの17%しか生み出さないのだ。トラフィックの増加に関しては,よっぽど季節的要因の方が大きい。実に46%のトラフィック増をもたらす。

 「個々のユーザーがどのような順番でクリックするか,ネット・サーフィンでの行動パターンといったデータを関連づけることでブランド力を測定することができる」とGrahn氏は語る。広告主はすでに,店舗ページのヒット数,情報リクエスト数,電話での注文に関する情報ページのヒット数といったユーザーの行動に関するデータと,それにかかる経費との関係を計算し始めているという。

 従来のブランド強化手法がインターネットで通用しない主な理由の一つは,オンライン・メディアのユーザーが分散していることにある。米Media Metrixの視聴者調査によると,例えば米Yahoo!のユニーク・ユーザーは午後8時に2000万人を超え,この時間帯の全ユニーク・ユーザーの35%近くを占める。しかし,Yahoo!へのアクセスは438もの個別ドメインに分散している。そのため,オフラインにおけるマーケティング手法をオンライン向けにそのまま使うことには困難が伴う。

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