米Transmetaが米国時間6月25日に,0.13μmルールの製造技術を用いたx86プロセサ「Crusoe」を発表した。現行の0.18μm技術の製品と比べ,性能が50%向上,消費電力も20%程度低減しているという。

 なおx86プロセサの本家である米Intelは,0.13μmルールの製造プロセス技術を使った「mobile Pentium III processor-M」をTechX NY(Technology Exchange Week New York)で披露した。量産は2001年第3四半期の予定である。

 発表したのは512Kバイトの2次キャッシュを搭載する「TM5800」と,同256Kバイトの「TM5500」。台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)が製造する。Transmeta社は同日,両製品の提供を始めた。

 TM5800は動作周波数800MHz,766MHz,733MHz,700MHzの4種類を用意した。800MHz版の価格は1000個ロット時に198ドル。TM5500は733MHz,667MHz,600MHzの3種類。667MHz版の価格(1000個ロット時)は85ドル。

 Transmeta社は,2002年後半に1GHz版のTM5800も投入する計画である。

 このほか,Transmeta社は「Code Morphing Software(CMS)」ソフトの新版「version 4.2」を2~3カ月以内に投入する予定である。CMSは,86系命令を内蔵の独自命令セットVLIWに変換する機能を備える。

 Transmeta社はさらに,CrusoeプロセサにDDR(double data rate)DRAMコントローラを内蔵することも明らかにした。

Crusoe TM5400 TM5500 TM5600 TM5800
動作周波数 500-700MHz 667-800MHz 500-700MHz 667-800MHz
1次キャッシュ 128KB 128KB 128KB 128KB
2次キャッシュ 256KB 256KB 512KB 512KB
主記憶 DDRAM-SDRAM
(100~133MHz)
DDRAM-SDRAM
(100~133MHz)
DDRAM-SDRAM
(100~133MHz)
DDRAM-SDRAM
(100~133MHz)
ノースブリッジ
パッケージ 474BGA 474BGA 474BGA 474BGA

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