米Compaq Computerと米Intelが米国時間6月25日に,Itaniumプロセサ・ベースの大規模サーバーの開発に関し提携関係に入ったことを明らかにした。Compaq社は2004年までにスーパー・コンピュータからWWWサーバーに至るまで,全ての64ビット・サーバー製品をItaniumベースに統合する。自社のAlphaプロセサをベースとしたAlphaServerの提供は2008年までで打ち切る。
なおAlphaプロセサは,1998年にCompaq社が米Digital Equipment Corp.(DEC)を91億ドルで買収した際に手に入れたマイクロプロセサである。
Compaq社は,Intel社にAlphaプロセサ技術やコンパイラ技術などをライセンス供与することで,複数年契約を結んだ。両社はシステムの開発やマーケティングなどに関し,協力体制を敷く。この一環として,次世代Alphaチップを開発中の数百人規模のエンジニアは,プロジェクトが終わり次第,Intel社に移籍する。
Compaq社は,「Tru64 UNIX」,「Open VMS」,Himalaya向け「NonStop Kernel」の各OSおよび開発ツールをItaniumプロセサに移植する。
Compaq社の今後の計画としては,2001年夏に1GHz動作のAlphaプロセサを搭載したAlphaServer GS Seriesを投入する。現在開発中の「EV7 Alpha」システムは2002年後半にリリースの予定である。
またフォルト・トレラント・コンピュータ「NonStop Himalaya」のItanium搭載機は,2004年の発表を予定している。その間,当面はMIPSプロセサをベースとした製品を開発する。
PCサーバー「ProLiant」については,Itanium搭載機を2001年第3四半期に投入する計画についてすでに発表している。
両社はソフトウエア・ベンダー向けの支援プログラムでも協力体制を敷いている。ベンダー企業にItaniumプロセサ・ベースのサーバーに向けたアプリケーションの開発を促す。
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