「2001年はDRAM業界にとって最悪の年になる。世界市場の売上高は2000年の315億ドルから55.5%減少し,2001年は140億ドルまで落ち込む見込みだ」。米GartnerのDataquestが英国時間6月21日に,DRAM市場に関する調査結果を発表した。

 「前回これほど急速に市場が後退したのは,1985年の55.1%減だった。2001年と1985年の急落はともに,突然の需要低下と在庫増加によるものだ。現在,パソコンの出荷台数は伸び率が減速しており,2000年から在庫が増え続けている」(Dataquest社世界半導体グループ上級アナリストのAndrew Norwood氏)。

 「DRAM業界をこの最悪の事態から救う手段は,韓国のSamsung,米Micron Technologies,ドイツのInfineon Technologies, AGといった主要企業が生産高の削減を発表することである。2002年も成長率は低いが転換期となり,2003年には1990年代初頭以来の急成長をみせるだろう」(同氏)。

 DRAMの価格は過去1年間で約80%低下している。今週,128Mビット製品は現物市場単価が2ドル以下,契約単価は3ドル以下に落ち込み,製造コストを下回った。ほとんどのメーカーが損害を被っており,2002年もこの状態が続く。

 しかし,コンピュータ・ユーザーにとっては嬉しいことだ。DRAMの価格が急落したため,128Mバイトのメモリーを増設するのに1メモリー・モジュール当たり20ドルもかからない。昨年は同様のメモリー・モジュールで120ドルだった。

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