米Intel,米Dell Computer,米IBM,米QLogicの4社は米国時間6月19日に,次世代サーバI/O「InfiniBand」のファブリック(スイッチ網)を使った,データセンター向けアプリケーションのデモを行うと発表した。InfiniBand技術の開発者会議で披露するもの。

 Dell社のPCサーバー「PowerEdge」でデータベースなどを稼働させる。「エンタープライズ・クラスのアプリケーションを想定するデモは業界初」(4社)という。

 デモは,2個のPentium IIIを搭載したPowerEdgeサーバ5台,QLogic社のスイッチ,Intel社のInfiniBandコンポーネント製品およびソフトウエア,IBM社のDB2 Universal Database V7.2といった構成で行う。OSはLinux。ディストリビューションは明らかにしていないが,kernel 2.4を使ったもの。

 4社は,このInfiniBandファブリックのメリットを披露し,企業のデータセンターで広く普及するアーキテクチャとして紹介していくという。

 なおInfiniBand技術の開発者会議「InfiniBand Trade Associationn」は,6月19日から22日にかけてフロリダ州オーランドで開催される。QLogic社がFibre Channel対応のストレージ・ネットワーク(SAN)とInfiniBand対応のサーバを連携するI/Oモジュールのプロトタイプを披露する予定である。

 InfiniBandに関しては昨日,米IDCが「サーバーI/O技術InfiniBandの利用が広がりつつある。InfiniBandは開発,試験段階から2001年後半には導入の段階に入る。ただし,景気の減速や対応製品がまだ限られていること,認知度が十分でないことなどから,導入のペースは緩やかになりそうだ」との調査結果を発表している。

 InfiniBandは,次世代サーバ向けの入出力インタフェース。Gigabit Ethernetやディスク装置,サーバ間接続などに用いるシリアル通信ネットワークで,PCIバスの遅さを解消する。

 技術的にはスイッチド・ファブリックをベースとする。リンク1組(1組は単方向の伝送路2本で構成),4組,12組の仕様がある。リンク1組で2.5Gbps,4組で10Gbps,12組で30Gbpsとなる。各リンクには銅線あるいは光ファイバを使う。銅線の場合,延長距離は17m。光ファイバだと最長10kmまで延ばせる。InfiniBandを使ったシステムは,複数のサブネットで構成する。サブネット間はルータ・ブリッジで結ぶ。一つのサブネットは最大6万4000個のノードから成る。

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