米Microsoftが米国時間6月19日に,共同技術開発に向けたプログラム「Shared Development Process(SDP)」を発表した。技術開発における提携,フィードバックに関する枠組みを提供するもの。同社会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクト(CSA)のBill Gates氏がアトランタで開催中のカンファレンス「Microsoft Tech-Ed 2001」で明らかにしたもの。

 「コンピューティング・モデルがスタンドアロンのアプリケーションから,アプリケーション,機器,サービスの集合体へと変化するにつれ,密なパートナシップの枠組みが必要になる。SDPではフラットで柔軟性のある枠組みを提供し,パートナー企業に対し有益なフィードバックをもたらす」(Microsoft社.NET Platform Strategy部門副社長のSanjay Parthasarathy氏)。

 SDPでは,設計プレビューやレビューといった既存の共同開発の枠組みをきちんとルール化する。そのフィードバックを現在と将来の技術開発に生かす。つまりMicrosoft社と業界パートナに再利用可能なアイデアを提供し,現在および将来の問題解決に用いる。SDPでは,技術や法律に関するツールを提供する。

 「パートナ企業が参加しやすい作業環境の迅速な構築を図る」(Microsoft社)としている。

 SDPの最初のプロジェクトとして,.NET戦略の中核担うWebサービス群「HailStorm」向け拡張サービスを取り上げる。Parthasarathy氏によると,旅行情報,音楽やビデオといった業界向け新サービスの開発を望む声が多いという。

 SDPはHailStorm向け拡張サービスの開発にあたり,以下の手順で作業を進める。

・新たな拡張サービスの提案を募集

・ワーキング・グループを発足

・拡張サービスの定義とテスト

・拡張サービスの承認

・サービス開発

 その他のSDPプロジェクトとしては,各種アプリケーションや機器間の情報共有に関するXMLスキーマの開発なども視野に入れる。

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