コンパックの無線機能付きiPaq米Compaq Computerが米国時間6月19日に,携帯情報端末「iPAQ Pocket PC」に無線データ通信と音声通信機能を組み込んだ新モデルを投入することを明らかにした。現在開発中で,まもなく試験サービスを始める予定。

 リリースは2001年後半を予定している。Compaq社は同日,スウェーデンのストックホルムに置くWireless Centerで記者会見を行い,会長兼CEOのMichael Capellas氏が開発中の新モデルを披露した(写真)。

 無線通信方式はGSM/GPRSのトライバンドで,900MHz,1800MHz,1900MHzの三つの周波数帯を使う。端末はWWWブラウジング,電子メール,ショート・メッセージングなどのインターネット機能をはじめ,携帯電話のフル機能も備える。

 またCompaq社によれば,iPAQ Pocket PCの出荷台数は6月中に100万台を突破する見込みであるという。

 またCompaq社は,無線電子メール端末「iPAQ BlackBerry」についても無線通信機能を拡充したことを明らかにした。対象は北米地域のみ。iPAQ BlackBerryを新たにLotus Dominoのメッセージング機能と連携させたほか,サーバー・ソフトの新版「BlackBerry Exchange Server for Exchange 2.1」の提供を始めた。米MicrosoftのExchange Serverの個人情報管理アプリとの同期化機能に,スケジュール帳の同期機能を拡充した。

 なお米Gatnerは6月18日(米国時間)に,「iPAQが躍進している。2001年第2四半期にPDA市場でこれまで首位を堅持してきたPalm機をiPAQが売上高ベースで初めて追い抜き,首位に踊り出る」との予測分析を発表している。

 同社によれば,Compaq社の第2四半期(4~6月)におけるiPAQ製品の売上高は2億ドルを突破する規模となる見込み。一方のPalm社は3~5月期の売上高が1億3000万ドルから1億3500万ドルにとどまる見込み。Palm機を提供している米Handspringの売上高は,6000万ドルから6500万ドル。Palm社は2000年9月~11月期に5億700万ドルを売り上げたが,2001年に入り急速に落ち込んでいる。

 なお,出荷台数はiPAQが約50万台で,Palm機は約70万台。iPAQの方が製品単価が比較的高いため,売り上げの総額が大きく伸びた。

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[発表資料1]
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