米Microsoftが米国時間6月18日に，モバイル端末向けアプリケーション・サーバー「Mobile Information 2001 Server」を正式リリースしたことを明らかにした。アトランタで同社が開催中のカンファレンス「Microsoft Tech-Ed 2001」で，.NET Enterprise Server部門担当上級副社長のPaul Flessner氏がデモンストレーションを行った。
Mobile Information 2001 Serverは，サーバー系列「.NET Enterprise Server」の新製品で，Microsoft社の.NET戦略およびモバイル戦略の中核となる。Outlookアプリケーションへのアクセス機能「Outlook Mobile Access」を組み込んでおり，「Exchange 2000 Server」および「Exchange 5.5」の個人情報管理（PIM：personal information management）データにリアルタイムでアクセスできる。
例えば，携帯電話などから，電子メールやスケジュールなどの情報を利用できる。Windows 2000 ServerのInternet Information Services（IIS），Exchange Server，BizTalk Server，Visual Studioなどとも連携する。
価格は1ユーザーにつき75ドル。「Mobile Information 2001 Server」のミドルウエア機能を用いるオプションも用意する。すなわちファイアウォールの内側に設置し，モバイル・プロキシ・サーバーとして使うことを想定する。価格は1ユーザーにつき15ドル。
なお，公開デモには英Vodafoneの米国法人Global Platform and Internet Services部門ディレクターのChico Jayanthan氏も登壇した。Vodafone社は，Microsoft社が設置しているMobile Information Serverベースの製品向け開発支援プログラム「Joint Development Program」の参加企業である。
Vodafone社は同日，英国市場でMobile Information 2001 Serverをベースにした企業向け無線サービス「Vodafone Office Live」の提供を始めたことを明らかにした。Mobile Information 2001 Serverベースのサービスの提供は，同社が第1弾となる。
Vodafone社のほかにも，Microsoft社とスウェーデンEricssonとの合弁であるEricsson Microsoft Mobile Ventureをはじめ，ソリューション・ベンダー大手の米Compuware，米Accenture/Avanade，仏Cap Gemini Ernst & Young，米EDS，米Extreme Logic，米Hewlett-Packard（HP），米IBM Global Services，米KPMG InternationalなどがJoint Development Programに参加しており，各社ともMobile Information 2001 Serverをベースにした製品やサービスを2001年後半に投入する計画である。
◎関連記事
＜Microsoft社関連＞
■米マイクロソフトのモバイル機器向けAPサーバーが製造段階に，6月出荷
■米マイクロソフトのBallmer氏，モバイル・インターネットと.NET戦略を語る
■米MSが「Outlook Mobile Manager ベータ版」，モバイル機の情報をAI技術で自動選別
■米マイクロソフト，携帯電話向けブラウザMobile Explorer 3.0評価版をリリース
＜市場＞
■飛躍する欧州のインターネット，ネット・ユーザー数は2001年末に1億800万
■「無線接続サービス市場は2007年に285億ドル超規模」---。Frost & Sullivanの調査
■モバイル向けミドルウエア市場が2005年まで年平均61％成長で15億ドル規模に
■「2005年の世界ネット・ユーザー数は11億人超，62％が無線に」と米社の調査
■2007年に米国人の約60％がモバイル・データを利用へ
