「サーバーI/O技術InfiniBandの利用が広がりつつある。InfiniBandは開発,試験段階から2001年後半には導入の段階に入る。ただし,景気の減速や対応製品がまだ限られていること,認知度が十分でないことなどから,導入のペースは緩やかになりそうだ」。米International Data Corporation(IDC)が米国時間6月18日に,調査結果を発表した。

 「InfiniBandは,薄型サーバーを手がけるベンダーなどがInfiniBand対応でパートナーシップの構築を進めていく」(IDC副社長のVernon Turner氏)。

 ラックマウント型単機能サーバー市場が,サーバー間の接続やクラスタリング,ストレージとの接続などでInfiniBandの利用に最適だとIDCは説明する。

 また,ミッドレンジ市場やハイエンド・サーバー市場でも利用が進むが,このカテゴリはサーバー市場全体からみると全体の10%にも満たない。短期的には,エントリ機市場が最も期待できるとしている。

 InfiniBandは,次世代サーバ向けの入出力インタフェース。Gigabit Ethernetやディスク装置,サーバ間接続などに用いるシリアル通信ネットワークで,PCIバスの遅さを解消する。

 技術的にはスイッチド・ファブリックをベースとする。リンク1組(1組は単方向の伝送路2本で構成),4組,12組の仕様がある。リンク1組で2.5Gbps,4組で10Gbps,12組で30Gbpsとなる。各リンクには銅線あるいは光ファイバを使う。銅線の場合,延長距離は17m。光ファイバだと最長10kmまで延ばせる。InfiniBandを使ったシステムは,複数のサブネットで構成する。サブネット間はルータ・ブリッジで結ぶ。一つのサブネットは最大6万4000個のノードから成る。

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