米Xeroxは米国時間6月14日に,SOHO(small office/home office)向け製品の市場から撤退すると発表した。今後6カ月間で,主に小売りチャネルを通して販売される個人向けインクジェット・プリンタと電子写真製品の販売を取りやめる。

 ただし,関連サービスや製品サポート,サプライ品の供給は継続して行う。

 これは同社事業の転換戦略の一環。中核ビジネスと位置づける企業オフィス向け製品や商業印刷向け製品に注力するという転換計画を効果的に行うための「困難だが必要な決断」(Xerox社会長兼CEOのPaul A. Allaire氏)。

 「SOHO事業から撤退することで,キャッシュを確保し利益向上を図る。これで下半期と通年の業績で黒字転換を図る」(同社社長兼COOのAnne M. Mulcahy氏)。

 インクジェット・プリンタは大きな初期投資が必要になるものの,製品が普及すれば消耗品需要が生まれ,利益循環が繰り返される。ただし短期的にみれば,インクジェットの市場は劇的に変貌しており,最近の市場調査データでも,市場の低迷は今後も続くと予測されているという。

 なおXerox社は2001年第1四半期の決算で,SOHO部門の営業損失(税引き前)を8200万ドルと発表していた。このときのSOHO部門の売上高は1億3900万ドルで,売上高全体に占める割合は3%だった。また同社は第2四半期の決算でも第1四半期と同様の営業損失を見込んでいる。

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