米Cahners In-Statが米国時間6月12日に,「世界の広帯域接続サービスの加入者数は2001年末までに2100万件に達し,2005年末には8400万件へと大きく拡大する」との調査結果を発表した。

 「情報,通信,仕事,エンターテインメントのツールとして,インターネットへの依存度はますます高まっている。広帯域接続を必要とするアプリケーションも増えていることから,ユーザー数は今後も大きく拡大を続ける。加入者数の急増に対応するために,プロバイダは新しいアクセス技術の導入を検討し始めた。また,企業間での競争も激化し,各社とも技術やサービスでライバルよりも抜きん出ようとしのぎを削っている状態である」(In-Stat社)。

 カテゴリ別にみると,DSLとケーブル・モデムの利用が主流で,衛星通信と固定無線は機器が比較的高額であることや運用コストがネックとなっており,伸び悩むとIn-Stat社はみる。その他の調査結果は以下の通り。

・2000年における世界の広帯域サービス市場は売上高ベースで58億ドルだった。2005年には370億ドル強へと大きく伸びる。

・2001年末における米国での広帯域接続の世帯普及率は11%。

・2000年末時点における米国の広帯域接続利用世帯数は680万世帯,2年後の2002年には約3倍の1900万世帯強へと拡大する。

・北米市場ではケーブル・モデムの利用が最も多く,2004年までDSLの加入者数を上回る状態が続く。世界市場では,欧州,アジアの一部地域,北米の企業部門で,DSLの新規加入が急増し,2002年末までにDSLがケーブル・モデムを追い抜く。

◎関連記事
<ケーブル・モデム vs.DSL>
「北米の広帯域ユーザーは780万世帯,ケーブル・モデムが7割」と米調査
「2004年のDSL/ケーブル使う広帯域サービスは133億ドル規模」と米In-Stat
「DSLとCATV向けの宅内装置,2000年の出荷台数は1600万台に」---。米Infonetics の調査
高速インターネット・アクセスでケーブル・モデムがDSLを今後数年はリード

<ケーブル・モデム関連>
米国でブロードバンド・インターネット普及の足を引っ張る“規制”
「今後も年率60%で伸びるケーブル・モデムだが,企業ユーザーは敬遠
2005年時点での世界ケーブル・モデム・サービス加入者は5860万人に

<DSL関連>
「世界のxDSL加入者数,2001年第1四半期末で755万9000人。前期比で34%の増加」---。DSL Forumが発表
DSLベンダー12社が“CVoDSL"を標準化へ,1本の電話回線で8チャネルの音声通信
「2005年に利用されるDSL向け付加価値サービスは現在の16倍に」,米社の調査
「DSLAM市場が2001年Q3から急拡大へ,VoDSLがキラー・アプリ」と米調査会社
「DSL市場は2005年までに50億ドル規模へと3倍増,持続的成長」と米NPRG

[発表資料へ]