米Palmが米国時間6月7日に,短距離無線通信技術Bluetooth向けカード「Palm Bluetooth Card」を発表した。Secure Digital Input/Output(SDIO)規格に準拠する。モナコ公国のモンテカルロで開催中の「Bluetooth Congress 2001」にて公開デモを行った。

 SD対応の拡張スロットを装備するPalm機「m500」(モノクロ表示)と「m505」(カラー表示)http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20010320/1/の2モデルで利用できる。リリースは第4四半期の計画で,価格は150ドル以下とする予定。

 Palm Bluetooth Cardの開発には東芝が協力した。SD形式は,もともと松下電器産業,東芝,米SanDiskの3社が共同開発した規格である。カードは切手大の大きさで,Palm機を携帯電話や携帯情報端末(PDA),ノート・パソコン,プリンタ,ネットワークなどと接続できる。Bluetoothのデータ転送速度は最大1Mビット/秒。PalmのカラーPDA「m505」

 同時にPalm社は,年末までにPalm OS v4.0以上をすべてBluetoothに対応させることも明らかにした。Palm OSのライセンシ企業が製品にBluetooth対応機能を組み込んだり,外付けのBluetooth対応ソリューションなどを提供できる。Palm社はベンダー向けに,Webサイトで開発キットやAPI技術などを提供している。

 このほか,Palm社はオフィスや空港,店内などでの小規模LANに向けたBluetoothのアクセス・ポイントの提供に関し,米Axis Communicationsなどの通信関連企業と協力体制を敷いている。

 また,SD技術のコンソーシアムSecure Digital Assonication(SDA)も同日,Palm社によるSDIO準拠のBluetooth Card投入について正式発表した。「Palm Bluetooth CardはSD/SDIO技術の利用を大きく拡大するものとなる。モバイルの利用を新たな段階へと押し上げていく」(SDA)。SDAの参加企業は現在280社を超える。

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