米IBMと日立製作所,日立の100%子会社である米Hitachi Data Systemsが米国時間6月6日に,ストレージ製品の相互運用性を確保するためAPI技術のクロスライセンス契約を結んだことを明らかにした。

 IBM社は自社の「Enterprise Storage Server」(開発コード名「Shark」)のAPIを日立にライセンス供与した。日立は「Freedom Storage Lighting 9900 Series」など自社のストレージ製品をIBM社のデータ複製機能「Peer to Peer Copy(PPRC)」や「Extended Remote Copy(XRC)」に対応させるほか,「FlashCopy」「Multiple Allegiance」「Parallel Access Volumes(PAV)」などの機能も組み込む。

 一方日立は,「Lightning 9900」のAPIをIBM社にライセンス供与した。IBM社は自社の「Enterprise Storage Server」を日立のデータ複製機能「NanoCopy」や「ShadowImage」などに対応させる。

 なお,ストレージ業界の大手企業である米Brocade Communications Systems,米Compaq Computer,米EMC,日立製作所の100%子会社米HDS(日立データシステムズ),米IBM,米McDATAの6社は6月5日(米国時間)にストレージ・ネットワークの相互運用性の確保に関して協力体制を敷くことを明らかにしており,今回のIBM社と日立のクロスライセンス契約はこの一環となるもの。

 またストレージの業界団体Storage Networking Industry Association(SNIA)は,SAN製品の相互運用性確保や顧客のSAN導入支援などで「Supported Solutions Forum」を開設している。

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[IBM社の発表資料]
[HDS社の発表資料]