米Gartnerが米国時間6月6日に,「2006年までに世界主要2000社の80%が従業員向けにビデオ・オン・デマンド・システム(VODシステム)を導入する」との予測分析を発表した。

 「VOD機能は従業員のモチベーションを高め,維持するためのツールとして非常に重要。特にトレーニングやコミュニケーションの用途での需要が大きい。ネットワークにVOD機能を導入しない企業は,VOD対応のシステムを備える企業に後れをとることになる」(Gartner社)。

 「eラーニングの利用が進むにつれ,従業員は専門機関やオンライン大学などが提供するビデオ・ベースのトレーニング・コースを利用したいと望むようになる。企業がこうした希望に対応しうるシステムを持たなければ,能力のある従業員を失いかねない」(Gartner社シニア・アナリストのLawrence Orans氏)。

 Gartner社は,消費者によるWeb放送の利用が拡大し,企業にも広がったと分析する。企業のネットワーク担当者は,VODは家庭向けと決め付けている傾向があり,企業向けには別のメリットがあることを理解していない人が多いと指摘する。

 「企業のネットワーク担当者は,VODシステムが社内で利用可能になれば,従業員はスポーツや音楽など仕事には関係ないビデオを見るようになる,またそれによってネットワークもひどく渋滞するなどといった面のみを重視している。しかし,そのような懸念よりも,VODの適切な利用法について理解を深め,VOD対応への移行に取りかかるべきである」(Orans氏)。

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