大手レコード会社が,インターネットを介してダウンロードした音楽コンテンツのCDへの複製を認める方向を打ち出した。米Roxio(元の米アダプテックのデジタル・メディア事業部門)と英EMI Recorded Musicが,CDへの音楽コンテンツ複製に関して戦略的提携を結んだもの。

 許可を受けた消費者がRoxio社のソフトウエアを使って,EMI社の音楽をCDに記録できるようにする。なお,EMI社はRoxio社に出資したことも明らかにした。

 Roxio社は同社の技術と複数の配信チャネルを提供する。両社は協力して,著作権のあるコンテンツの違法複製を防止する技術を開発する。

 「我々の目的は,消費者が合法的に音楽をダウンロードしてCDに記録できるようにし,コンテンツの著作権所有者や制作者が公正に報酬を受け取れるようにすること」(Roxio社社長兼CEOのChris Gorog氏)。

 業界アナリストによると,2004年にはメディアの25%がインターネットを介して配信されるようになるという。2001年末時点における生CDの出荷枚数は50億枚,CD記録装置の設置台数は1億台にのぼるとみる。

 Roxio社はオーディオ,ビデオ,写真,データを作成し,CDに記録して管理するためのデジタル・メディア・ソフトウエアを手がけている。同社の製品にはCD書き込みソフトウエア「Easy CD Creator for Windows」や「Toast for the Macintosh」などがある。

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