米Gracenote(旧名:CDDB)が米国時間6月5日に,オンラインの音楽視聴追跡サービス「Gracenote Data Services(GDS)」を発表した。

 パソコンでの音楽利用状況を追跡し,オンラインで人気の高い音楽アルバムや地域ごとの傾向を分析する。毎週2700万人以上にのぼる世界中のリスナーと,Gracenote社のサービス「CDDB Music Recognition Service」対応のメディア・プレーヤ(4000台)からデータを収集する。

 ユーザーがCDDB対応プレーヤでCDを聴くとCDDBサービスが楽曲やアルバムを認識し,GDSのデータベースに記録する。GDSは楽曲ごとにデータをまとめ,統計情報を弾き出す。

 「これまでの音楽ランキングは,小売店の売り上げ枚数とラジオ局での放送回数をもとにしていた。GDSでは,音楽ファンがインターネット接続中にデジタルで聴く楽曲を地域ごとに分析する。GDSの統計データは競争力の解析をはじめ,開発,配信,パートナシップ戦略の企画に役立てることができる」(Gracenote社)。

 GDSは音楽レーベル,ラジオ局,マネージメント会社,小売店,ポータル・サイト,広告主に向ける。GDSへの参加を予定している企業には,米Warner Music Group,英EMI,米Sony Music Entertainment,Island Def Jam社,RCA社,米Arista,米TVT,米Roadrunnerなどが含まれる。

 GDSが現在提供するサービス内容は次の5種類。地域ごとのアルバム統計,1日ごとのアルバム統計,地域ごとのアルバム比較データ,国内アルバム・ランキング,都市部のアルバム・ランキング。その他の統計サービスも順次追加する予定である。

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