米Sun Microsystemsの開発者会議「2001 JavaOne Developer Conference」が米国時間6月4日に開幕した。Sun社は,「この開発者会議で,6年前にJavaプラットフォームを市場投入して以来続いている勢いと成功を証明する。JavaとXMLはオープンなWebサービスを開発するためのを重要技術と位置づける。Sun社とJava技術に携わる企業は,この開発者会議でそれらを披露する」(Sun社)。

 2001 JavaOne Developer Conferenceで,Sun社や同社のパートナー企業が発表する技術/製品/戦略の概要は以下の通り。

■JavaプラットフォームとXMLをベースとしたWebサービスの開発技術を提供する。Sun社では,以下のような計画を立てこの技術を提供していくとしている。

 すなわち,当初はJavaプラットフォームのコンポーネントとして提供し,後にSun社と同社パートナー企業が提供するJavaプラットフォームの統合開発環境の一部とする。最終的には,ネイティブの構成要素としてJavaプラットフォームに完全に組み込む。なお同日Sun社はこの計画の第一段階にあたる「Web Services Pack」をリリースする計画を明らかにした。Web Services PackはAPIセットなどをまとめたパッケージである。

■J2EE(Java 2 Platform Enterprise Edition)をベースとしたビジネス・アプリケーションへの取り組み。ATG(Art Technology Group),米BEA Systems,Sun-Netscape AllianceのiPlanet E-Commerce Solutionsがアプリケーション・サーバー市場に向けたアプリケーション製品に取り組んでいる。

■Sun社は,J2ME(Java 2 Platform Micro Edition)の普及が急速に普及していることを明らかにした。同社によれば,すでにJava技術を採用した携帯電話は350万台が出荷されている。2001年末までにはこれが2000万台にまで達すると予測する。

■Sun社の取り組み「Java Wireless Developer」を通して,無線機器向けアプリケーション開発者を支援する。J2MEプラットフォーム向けの新たなアプリケーションの開発を促す。

■サービス・プロバイダや通信ネットワークに向けたJavaソリューションのためのアーキテクチャ概要や開発者ガイドなどをまとめた「Java Technology for Service Providers (JTSP)」を発表。プロポーザル「Java Specification Request (JSR)」については,Cygent,dynamicsoft,富士通,Motorola,NEC,Nortel,NTT,Telcordia,Ubiquity,Ulticomなどが賛同しているという。

■J2EEでWebサービスのためのオープンなプラットフォームを提供する。次期J2EEでネイティブ・サポートする。この取り組みはJava Community Process (JCP)を通じて行う。

■Sun社とJava技術に携わる企業で,XML,UDDI,SOAPといった標準技術をサポートしていく。

 このほかSun社はxHTMLマイクロブラウザのコンポーネントを無償で無線業界に提供する計画や,Project JXTAコミニュティに追加のソースコードを提供することなども明らかにした(Sun社の発表資料一覧)。

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