「ITトレーニング市場は年平均成長率13%で拡大し,2000年の220億ドルから2005年には約410億ドルに達する」。米IDCが米国時間6月4日に,IT教育とトレーニングの世界市場に関する調査結果を発表した。

 「矛盾しているようだが,世界経済の低迷に伴い,企業はコスト削減のためにIT支出を増やすだろう。最新技術に関するトレーニングを受けたITプロフェッショナルを確保することで,ビジネス・モデルの見直し,インターネット戦略の遂行,サプライ・チェーンの合理化などを図り,スキルのある社員の不足によって発生する問題を軽減するためだ」(IDC,Corporate eLearning and IT Education and Training Services調査プログラム部門上級アナリストのMichael Brennan氏)。

 米国と西欧はソフトウエアやサービスへの支出が依然として多く,引き続きITトレーニングの最大市場となる。2005年におけるITトレーニング市場の売上高のうち,米国と西欧が80%近くを占めるとみる。

 ベンダーの収入という点でみた場合,米国では2004年にインターネットを介したトレーニング(e-learning)が主流になり,講師が教室で行うトレーニングを上まわる。ベンダーが高品質のサービスを提供し,ユーザーが効率的にアクセスできるようになるとともに,e-learningがITトレーニング市場における成長の大半を担うようになる。

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