「米Intelはマイクロプロセサ市場で優位な立場にあるが,世代交代の重要な時期を迎えており,“Pentium 4”への移行を注意して行わないと平均販売価格や出荷個数が大幅に落ち込みかねない」などとする調査結果を米Cahners In-Stat/MDRは米国時間5月29日に発表した。

 「Pentium 4への需要を喚起するには,動作周波数2.0GHzのプロセサ能力を生かすアプリケーションを見極め,プロモーションを行う必要がある」(In-Stat/MDR社Intel Microprocessor Service部門上級アナリストのKevin Krewell氏)。

 Intel社は米AMD(Advanced Micro Devices)と激しい競争を繰り広げるだろう。AMD社は,2001年末時点の市場シェアを約30%にまで高める目標を立てている。Intel社は利益性の高いサーバー市場での普及を狙っている。しかし,サーバー市場ではすでに地位を確立している競合他社に立ち向かわなくてはならない。

 主な調査結果は以下の通り。

・Intel社は2001年にPentium 4のマイクロアーキテクチャをデスクトップ・パソコン向けプロセサの主流に据え,2002年第1四半期にはPentium IIIから完全に移行する。チップ寸法の大きい初期のPentium 4(開発コード名「Willamette」)がPentium IIIに取って替わるには限界がある。

・デスクトップ・パソコン向けIntel社製品の平均販売価格は,2001年に落ち込むが2002年には安定する。この時期はPentium 4が好調で,AMD社に対するリードを保つ。Intel社は製造コストを削減することで,平均販売価格の低下を補う。

・Intel社の高性能デスクトップ用チップセットは引き続きRDRAMに対応する。しかし2001年の終わりにSDRAM,2002年にはDDR SDRAMに対応する。また2002年には,Pentium 4向けチップセットにグラフィックス機能を組み込み,低価格インフラに対応させる。現在「Celeron」プロセサがターゲットとしている低価格帯デスクトップ・パソコン分野でPentium 4への移行を図る。

◎関連記事
米インテルが1.7GHzの「Pentium 4」を発表,価格は352ドルと安い
米インテルが主要プロセサを値下げ,Pentium 4は最大19%
【TechWeb特約】米インテルのBarrett氏,「Pentium 4は年内に2000万個出荷」
Intel,基調講演で2GHz動作のPentium 4をデモ
IntelがPentium 4のマイクロアーキテクチャ「NetBurst」を明らかに

[発表資料へ]