米IDCは米国時間5月24日に,アウトソーシング市場に関する調査結果を発表した。2000年における上位100件のアウトソーシング契約について調査したもの。2000年に成立したアウトソーシング契約の個々の契約額は5800万ドル~75億ドルで,合計すると約560億ドルに達するという。

 1億ドル~2億4900万ドルの契約件数が最も多かった。

 「大規模な契約では,通常ISアウトソーシングが主流である。しかし今後は事業プロセス・アウトソーシング(BPO:Business Process Outsourcing)とインターネット関連サービス分野が増える」(IDC,IT and Offshore Outsourcing Strategies調査部門プログラム・マネージャのCynthia Doyle氏)。

 2000年は10億ドル以上の契約が17件成立し,1999年と比べて約50%増加した。こうした大口契約では,ベンダーが競争力を得るために他のベンダーとチームを組むことが多い。

 また,上位100件のアウトソーシング契約のうち59%を米国以外が占めた。しかし,米国は契約件数が最も多く35件が成立した。欧州は34件で2位だが,契約額ベースでは首位だった。日本の契約件数は5件で,そのうち1件は「アウトソーシング史上最高額の契約」(IDC)である。英国の契約件数は22件だった。

 「英国は,民営化の波やITサービスの拡充,ユーロ統合への対応などが要因となり,アウトソーシングが活発化した」(同氏)。

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