米GartnerのDataquestが米国時間5月21日に,ストレージ管理ソフトの世界市場に関する調査結果を発表した。市場は2000年の53億ドルから2005年には167億ドル規模に成長するという。

 2001年の市場規模は前年比26.4%増の66億ドルに達する見込みである。

 2000年半ばから続いている米国経済の減速が買い換えサイクルを引き延ばしているものの,今後5年間の見通しは明るい。WWWベースのアプリケーション,マルチメディア・データ,データ・ウエアハウス/ビジネス・インテリジェンスの導入が増え,優れたストレージ管理ツールへの需要が高まるためである。

 「SAN,インテリジェント・ストレージ装置,新たなデータ複製技術が,ストレージ・データのバックアップや復旧手法を今後3年で変えるだろう。結果的に,自動化した統合ストレージ管理ツールが求められるようになる。ハードウエア・メーカやソフトウエア・ベンダは早急に標準規格を取り入れ,APIを策定するべきである」(Dataquest社Storage Management Software and SAN Appliances調査グループ,チーフ・アナリストのCarolyn DiCenzo氏)。

 2001年における市場の最大分野はストレージ・インフラ関連で,市場全体の41%を占めるとみる。次いでデータ管理分野が40%。2005年にはその差が拡大し,ストレージ・インフラ分野の市場シェアが43%,データ管理分野は34%となる。

 「ストレージ・インフラ分野では,これまでデータ複製ソフトウエアが急速に成長してきた。しかし2001年から,ストレージ仮想化ソフトウエアが勢いを増すだろう」(同氏)。

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