米IBMが3G(第3世代)携帯電話機向けのLSIの開発に関して三菱電機と提携したことを,米国時間5月21日に明らかにした。「3G携帯電話機向けの高速,低消費電力LSIの市場投入を加速する」(IBM社)。

 両社は複数年の共同開発契約を結んだ。この契約のもと,3G携帯電話機向けRFチップの開発で協力体制を敷く。LSIは三菱電機の携帯電話の回路/システム設計の技術をベースに開発し,IBM社のシリコン・ゲルマニウム(SiGe:silicon germanium)技術を用いて製造する。これを三菱電機が次世代携帯電話機に採用する。

 共同開発するLSIには,3G用のレシーバとトランスミッタの回路などが含まれる。消費電力やシステム全体のコスト低減を図る。

 すでに両社のマサチューセッツ州Lowellおよびカリフォルニア州Encinitasの設計チームが共同開発に取り組んでいる。IBM社はバーモント州バーリントンの製造工場で製造を始める予定。三菱電機への量産出荷は2001年第4四半期を見込む。

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