米Intelが米国時間5月21日に,ワークステーションおよびサーバー向けのx86プロセサ「Xeon」を発表した。動作周波数は1.7GHz,1.5GHz,1.4GHz。当初は2プロセサに対応したミッドレンジのワークステーションに向ける。
消費電力電力は最大91W(設計上は84.2W)。CPUコアの電源電圧は1.6Vである。外部バスのクロック周波数は400MHz。4200万個のトランジスタを1チップに集積する。2次キャッシュの容量は256Mバイトである。604ピンのFPGAパッケージに封止する。製造技術は0.18μm。
これまで「Xeon」は「Pentium III Xeon」のように,Pentiumプロセサ・シリーズのサブブランドだった。しかし今回発表した製品から「Xeon」として独立させた。64ビット・マイクロプロセサの「Itanium」,クライアント製品向けの「Pentium 4」と並ぶブランドとし,サーバー,ワークステーション向けプロセサという製品の位置付けを明確化するのが狙い。
なお2001年後半には,1.7GHz以上のデュアルプロセサ対応Xeon,マルチプロセサ対応Xeonを市場に投入する予定である。
「アプリケーションや動作環境によるが,Xeonを搭載したワークステーションはPentium III Xeon搭載機と比べて性能が30%~90%向上する」(Intel社)という。
米Compaq Computer,米Dell Computer,米Hewlett-Packard,米IBMといった大手ワークステーション・メーカが,同日を皮切りに2001年第2四半期中にXeon搭載機を出荷する予定である。
XeonはPentium 4と同様に「NetBurst」と呼ぶマイクロアーキテクチャを採用している。RDRAMのメモリ・バンクを二つ制御できるチップセット「860」と組み合わせる。4スロットのRIMMを駆動できる。データ転送速度は最大3.2Gバイト/秒。AGP4Xに対応する。USBコントローラを2個備える。
1000個ロット時の価格は,1.7GHz版が406ドル,1.5GHz版が309ドル,1.4GHz版が268ドル。256Kバイトの2次キャッシュを搭載する。
なおIntel社によると,Xeonを搭載した2ウエイ・サーバ機は2001年後半に登場する見込みである。
◎関連記事
<Pentium 4関連>
■米インテルが1.7GHzの「Pentium 4」を発表,価格は352ドルと安い
■米インテルが主要プロセサを値下げ,Pentium 4は最大19%
■【続報】Pentium 4延期はチップセットの不具合が原因
■Intel,基調講演で2GHz動作のPentium 4をデモ
■【TechWeb特約】米インテルのBarrett氏,「Pentium 4は年内に2000万個出荷」
■IntelがPentium 4のマイクロアーキテクチャ「NetBurst」を明らかに
<Pentium III Xeon関連>
■米インテルが2Mバイトのキャッシュを集積した900MHzのPentium III Xeonを発表
<製造技術>
■ムーアの法則はあと10年は大丈夫,米インテルが微細プロセス向け基盤技術を開発
■米インテルが0.03μmのCMOSトランジスタを開発,5~10年で10GHzのMPU
■Intelのマイクロプロセサ,2002年半ばに0.13μm版の個数が0.18μm版を上回る
■米インテルが0.13μmの製造技術の開発が完了と発表,2001年に量産体制
■インテルがアイルランド工場の操業を1年延期,「いきなり300mmウエーハで」
■米Intelと大日本印刷,0.13μmのフォトマスク開発で提携,2001年メド
■「Mooreの法則」は死なず,生き延びたマイクロプロセサの鉄則
[発表資料へ]