「米Microsoftは.NET戦略の中核を担う新たなサービスについて作業を進めている」。米CMP MediaのCRN誌が米国時間5月18日に明らかにした。Microsoft社CEOのSteve Ballmer氏が同誌のインタビューに答えたもの。

 Microsoft社が現在開発を進めている.NETサービスは,企業間における同盟“corporate federation”の構築を目指すもの。「.NET Corporate Federation」と名づける。

 .NET Corporate Federationは,.NET完全対応版のWindows(開発コード名「Blackcomb」)と同時期となる2003年に利用可能にする予定である。

 「顧客,メーカー,サプライヤが.NET対応WWWサービスのバリュー・チェーンにおける特権を共有できるようにする」(Ballmer氏)としている。

 なお,Microsoft社は3月19日に.NET戦略の中核担うWWWサービス群「HailStorm」を発表している。HailStormサービスは,ユーザーが利用するアプリケーションや機器,サービスをひとつに結び,“パーソナル・ネットワーク”を構築する。スケジュール帳やアドレス帳,文書などの個人情報へのアクセス機能も含む。パソコンのほか,携帯情報端末や携帯電話などの機器も接続する。Hailstormの開始は2002年前半を予定している。

 Ballmer氏は,「ソリューション・プロバイダとソフトウエア開発者が連携すれば,Hailstorm向けアプリケーションを開発し,Hailstormサービスと.NET Corporate Federationサービスを顧客向けネットワークに組み込むことができる」と説明する。

 「チャネル・パートナは.NETやHailstormに対応したアプリケーションを構築できる。例えば建築事務所や法律事務所にディレクトリ・サービス『Active Directory』を導入する場合,WWWを介した.NETサービスと事務所のActive Directory間で連携した特権を設定することが可能。システム・インテグレータはLANからWAN環境にわたって共有する規則を設定することもできる」(Ballmer氏)。

 またBallmer氏は,Hailstorm用ソフトウエア開発者キット(SDK)を今秋開催する開発者会議「Professional Developers' Conference」でリリースする予定であることを明らかにした。

 なお,インタビューの内容はCRN誌のWWWサイトに掲載されている。

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