米Transmetaが米国時間2001年5月17日に,シャープのノート・パソコンに「Crusoe」プロセサが採用されることにより,日本の大手ノート・パソコン・ベンダーすべてがCrusoe製品を持つことになる,などと発表した。

 シャープはCrusoeを搭載するノート・パソコン「Mebius PC-SX1-H1」の発表を行っており,日本市場で今年6月30日に販売を始める予定である。

 「我が社が2000年9月にCrusoeの出荷を開始して以来わずか1年足らずで,日本のノート・パソコン・メーカーの大手すべてが少なくとも一つのCrusoe搭載製品を発表した」(Transmeta社)。

 Transmeta社は,同社製品の日本市場における普及率は非常に高いと説明する。また同社は米Gartner Dataquestの調査結果を引用している。それによると,日本とアジア太平洋地域を合わせた地域のモバイル・パソコンの市場規模は,米国のそれに匹敵するという。日本およびアジア太平洋地域における2000年第4四半期のモバイル・パソコンの出荷台数は219万4306台。一方,米国市場の同時期のモバイル・パソコン出荷台数は220万6474台(出典:Source: Gartner Dataquest:「Worldwide PC Quarterly Statistics」2001年4月11日)という。

 「Crusoe搭載システムは,1年足らずで日本やアジア太平洋地域の市場で大いに受け入れられ,普及している。これら製品は米国や欧州でも出荷されている」(Transmeta社セールス/マーケティング部門エグゼクティブ・バイス・プレジデントのJim Chapman氏)。

 シャープのMebius PC-SX1-Hは,動作周波数600MHzの「Crusoe TM5600」を搭載する。重量は1.45kg。バッテリ寿命は標準で5時間,別売りバッテリで最大10時間の稼動が可能。3基のUSBポート,Smart Mediaカード・スロット,SDメモリ・カード・スロット,IEEE 1394インタフェース,内蔵モデムなどを備える。ハード・ディスク装置は20Gバイト,メモリ容量は128Mバイト,ディスプレイは10.4インチのTFT液晶。無線やその他の機能は,PCカード・スロットを利用して追加可能。OSはWindows Me。

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