米Jupiter Media Metrixは米国時間5月16日に,企業間(BtoB)電子商取引における顧客サービスの現状に関する調査結果を発表した。企業間電子商取引を提供する企業の多くが,基本的な顧客サービスをおろそかにしているという。

 企業間電子商取引を手がけている会社のうち,顧客の問い合わせ電子メールに6時間以内に返答する企業はわずか41%。問い合わせに対して具体的な解決策を提示する企業は,さらにその半分である。また,顧客自身が簡単に解決策を検索できるような機能を提供しているサイトはわずか2%しかない。顧客とサービス担当者がオンラインで情報(ナレッジ)を共有できるようにしてサービス向上を図る必要があると,Jupiter社は指摘する。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・企業間電子商取引を手がけている会社のうち,電子メールによる顧客サポートを提供している割合は96%。顧客サポート用のフリーダイヤルの番号をWWWサイトに載せている企業は67%。コラボレーション用にテキスト・ベースのチャット機能を提供している企業は4%程度だった。

・顧客サービスのツールとして,電子メールが有効活用されていないことが調査で明らかになった。65%の企業が電子メールによる問い合わせに24時間以内に返答したが,29%の企業は基本的な顧客サービスの問い合わせにまったく対応しなかった。

・顧客が自身でオンラインを介して情報を入手するための機能を提供している企業は65%。しかし2%の例外を除くすべてがFAQ(頻繁に寄せられる問い合わせ)テキストを羅列したページしか提供しておらず,顧客が複雑な企業間電子商取引サイトを利用するためには不充分である。

 「我が社が以前に行った調査では,インターネットを使い慣れたWWWユーザの70%が,必要な情報を入手できなかった場合,そのサイトの利用をやめると回答した。企業間電子商取引のバイヤーも同様の傾向を示している」(Jupiter社アナリストのDavid Daniels氏)。

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