家庭内ネットワークに接続するAV機器向けのミドルウエア仕様を策定する非営利の業界団体HAVi(Home Audio Video Interoperability)が米国時間5月15日に,仕様の新版「HAVi v1.1」をリリースしたことを明らかにした。WWWサイト(http://www.havi.org)からダウンロードできる。

 「v1.1」では,2000年1月にリリースした「v1.0」のネットワーク機能に加え,オーディオ/ビデオのユーザー・インタフェースやアプリケーションの認証機能を拡充した。新版の開発にあたっては,欧州の地上波デジタル・テレビ放送の標準化団体DVB(Digital Video Broadcast)および米国のATSC(Advanced Television Systems Committee)と連携し,協力を得た。

 新版「v1.1」で拡充した新機能は以下の通り。

・Level 2 GUI: DVBおよびATSCから寄せられた提案に基づいて,GUIを改良した。アプリケーション開発の幅を広げられる。

・アプリケーションの認証機能:ネットワークにおいて認証されていないアプリケーションは機能が制限される。

・イベント・モデルの記述を拡充:キーボードやリモコン(リモート・コントロール機器)なども含め,すべてのイベント・モデルを記述する。

・Level 2 GUIに関する詳しい説明を加えたほか,仕様全体をわかりやすい記述に改めた。

 「新版ではデジタル・テレビ放送と家庭内ネットワークの相互運用性を高めた。消費者,放送事業者,機器ベンダー,アプリケーション開発者のすべてがメリットを享受できる」(シャープの米子会社Sharp Laboratories of America社幹部で,HAViの技術担当委員会Technical Steering Committee会長のJon Fairhurst氏)。

 HAViは,1999年11月に松下電器産業,日立製作所,ソニー,シャープ,東芝,Royal Philips Electronics,仏THOMSON Multimedia,独Grunding AGの8社が結成した。Philips社傘下のPholips Consumer Electronics社Eddy Odijk氏が会長を務める。

 現在,民生機器ベンダーのほか,半導体ベンダーやソフトウエア・ベンダー,サービス・プロバイダ,大学,研究機関など合わせて50数社/団体が参加している。IEEE1394に準拠したHAVi互換のディジタルAV家電 やソフトウエア,サービスを開発する。

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