米International Data Corporation(IDC)が米国時間5月14日に,「情報システムのアウトソーシング・サービス市場は2000年の560億ドルの水準から2005年には1000億ドル規模に成長する」との予測分析を発表した。

 「規制緩和や民営化,グローバル化の進展,熟練技術者や経営資源の不足,リセッションへの懸念の高まり,技術の進歩や市場環境の変化が速まっていることなどの要因があいまって,アウトソーシング・サービスは競争力維持を目指す企業をさらに引きつけるものとなる。企業は,コスト削減や柔軟性向上,中核事業への注力,営業効率の改善,最先端技術の利用,パートナーシップの構築,付加価値の創造,インフラの拡大などのメリットを追求することから,こうした需要が今後も市場を大きく押し上げていく」(IDC,プログラム・マネージャのCynthia Doyle氏)。

 地域別にみると,米国市場が圧倒的なシェアを占め,これに欧州(西欧)市場が続く。米国ではここ数年間にわたって,データ・センターの運営やシステムの端末管理,LAN/WAN管理,アプリケーション開発,保守/修理サービス,ユーザー・サポート,サービス,インターネット/電子商取引サービスなど様々な分野で需要が旺盛だった。市場は今後も成長を維持し,米国市場の割合は2005年時点で44%程度になるという。

 欧州市場は2000年の160億ドルから年平均10.3%で拡大し,2005年には260億ドルを超える規模に成長するとIDCは予測している。

 米国と欧州を除いた地域では,年平均21%の成長率で著しい伸びをみせる。特に東欧地域や南米,アジア太平洋,日本で大きく拡大するという。

◎関連記事
「世界ITサービス市場,2005年に1兆4000億ドルで現在の2倍」とデータクエスト
「バックオフィス・アウトソーシング・サービス市場は前途有望」--米IDC調査
「2004年の事業プロセス・アウトソーシング市場は3010億ドル」と米調査
「WAN管理のアウトソーシング事業はアプリケーションの付加競争へ」米IEC
米国IT企業の海外アウトソーシング,「英語力」「人材」など4項目を重視
「中国,香港,台湾が“未開の金鉱”,人材派遣市場は5年で100倍に」と米IDC
2001年におけるIT求人数は90万人,熟練社員の不足は42万5000人」とITAA
「従業員のスキル不足に頭痛めるハイテク企業」と英エコノミスト

[発表資料へ]