米Intelが,2億5000万ドルを投じて研究施設を開設したと米国時間5月14日に発表した。「RP1」と呼ぶ施設で,RとPはそれぞれ,Research(研究)とPathfinding(開拓)の頭文字である。

 300mmウエーハを用いた先進の半導体プロセス技術を専門に研究する施設で,この手の研究施設は「世界初」(同社)という。

 RP1はその目的を研究と“開拓”としたことが,これまでの研究施設と大きく異なるという。これにより,研究と開発が交差する段階をカバーし,将来製品における先進技術の市場投入を加速するという。

 RP1では,次世代フォトリソグラフィや,高性能トランジスタ,先進配線技術(銅および光学配線),新素材などを使った環境にやさしい製造プロセスの研究を行う。

 Intel社では,RP1を同社の研究施設の一部であるComponents Research Labの中核に位置づける。RP1はオレゴン州にある300mmウエーハの開発ファブ「D1C」と量産ファブ「Fab 20」に隣接する。6000平方フィートのクリーンルームを備える。RP1の研究グループは,同社の既存製造プロセス技術の2~3世代先に進んだ半導体技術の開発にあたるという。

 なおIntel社の研究開発部門であるIntel Labsは世界中に研究施設を持っており,現在合計6000人の研究者および科学者を抱えている。

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Intelが危ない

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